外部講師特別プログラム in Knit ~第3弾~

こんにちは。
クリスマスが近づくにつれて、街の空気もワクワクとざわめき始め、温かな雰囲気に包まれてきました。皆さん、今年のクリスマスはいかがお過ごしですか?キラキラ輝く一日になりますように…。

さて、今回は先日開催された『外部講師特別プログラム』の第3弾についてご紹介します。

今回、外部講師をお願いしたのは、富士通コミュニケーションサービス株式会社のダイバーシティ推進室で勤務されている、藤野英明氏です。同社九州地区の人事も担当されている藤野氏より「企業が考えるこれからの働き方」をテーマとしてご講演頂きました。



人はみな、誰かと関わりを持つ中でお互いの存在を確認しながら仕事に就いている。つまり“はたらく”とは「社会で生きる」ことと「社会で認められる」ことで形作られている。そしてこれは個人だけの話ではなく、企業が社会の中で存在し続ける上でも同じ事が言える。では、企業が「社会で生き」ながら「社会で認められ」続けるには、どんな働き方のできる人材を求めているのか。

その本題に入る前に、まず私たちは自分のことをどうやって相手に伝えていけば良いのか。その考え方から講演は進んでいきました。



人間が持つ脳のサイズは20万年前から変わらない。しかし、現代に至るまでの間に脳が処理を求められる情報量は爆発的に増えていった。現代日本人が一日に触れる情報量は平安時代の日本人が一生の間に触れる情報量と変わらないそうだ。既に脳が処理しきれないほどの情報に晒されているのだとしたら?

たくさんの情報処理は脳がオーバーヒートしてしまう。そうならないよう、私たちの脳は自然と情報を選んで処理している。誰もが大事だと分かる情報は優先順位が高くなるが、そうでなければ他人のことよりも自分に関わることの方が先に処理されていく。つまり、人は思っているほど他人に興味がない。いや持てないのだ。
自分が思っているように相手は自分を見てくれていない。では、どうすれば相手が自分のことをちゃんと見てくれるのか?



自分の考えていることを分かりやすく相手に伝えるために3つのポイントが示されました。

①思考を整理する。相手に伝える前に自分の頭の中にあるごちゃごちゃした考えを片付ける。
②シンプルに考える。片付けた考えの中から要らない情報を除いて、伝えたいことがハッキリと分かるようにする。

こうして初めて相手に自分の考えていることを伝える、その最中に3つめのポイントがありました。

③自分から距離を置いてみる。自分の伝え方が相手からどう見えているのか、相手の立場に立って客観的に考えてみる。
こうして整理した考えを相手の中に少しずつ積み上げていくことで、自分と同じ見え方に揃えていく。



このことを踏まえた上で最後に、企業の求める人材について説明がありました。

「自分のことを知り、他者と協力して働くことができる」
「職場で求められる最低限のコミュニケーションが取れ、意欲を持って働くことができる」
「日常生活で可能な範囲の自立ができている」
「支援者や医師との関係が築けている」
「自分の障害・病気について理解があり、どんな配慮が必要なのか説明することができる」

こういった人材であれば、企業は社会の中で共に働いていくため、しっかりと職場環境を整えることができる。



講演後の質疑応答では、講演内容の他に「応募書類を書く際に気をつけること」や「働きながらスキルアップしていく必要性」、「仕事の進め方・覚え方のコツ」、「モチベーションの保ち方」などについても意見が交わされました。

今回の特別プログラムを終えて、参加した皆さんからは…

「日頃から自分の考えは整理したり、まとめておくことを意識していきたいです。」
「人間関係が大事なんだと分かるようになった今、それが“社会で生きる”“社会で認められる”ことなんだと繋がりました。」
「“健常者”と“障害者”を比べるのではなく、誰もが働きやすい環境が必要だとの言葉が印象的でした。」
「会社から求められる変化に適応することの大切さと共に、ぶれない軸を持つことも大事なことなんだと思いました。」

…といった感想が聞かれました。

これから就職を目指していく中で、勇気づけられる考え方や大切な課題に気づくことのできる有意義な時間となったようです。
藤野さん、ご講演ありがとうございました!

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